ランチェスター戦略 上原征彦
ランチェスター的思考に関してかかれた本
概要はランチェスターの基本原理に基づいた、企業戦略に関してかかれているため、一営業マン向けではなく、経営者もしくは、部下を持つリーダーが競争を生き抜くためにかかれている本と言える
生き抜くためというのはすなわち勝つことに繋がるのだが、それは総じて負けないことを基本としている。
経営者もしくはリーダーがある一定のマーケットのなかでいかにチーム、もしくは会社を動かすかがについて詳しくかかれている。
中間管理職~トップにかけて読むべき本であるが、営業マン個人に関していえば上司もしくは経営層がいかに考えいかにチームを動かそうとしているかをよく知るにはちょうどいいかと思う。
因みに自身がおかれている状況は以下の通りである。
職種営業マン(提案型)、経営には関わっていない、上氏はランチェスター戦略を知っている。
そのなかで、この本を読んで覚えておきたい若しくは現状に活用できると思われる部分を抜粋して、書き記す。
<差別化>
ランチェスター戦略において、差別化を要する状況は市場において弱者が強者に対して限定的な戦場(市場)において、一対一で戦う際に有効と記述されている。
また、先進的なアイデアを用いた差別化戦略は二番手に用意に真似をされてしまう危険性をはらんでいるため、考慮した上で差別化を進めていくことが重要としている。
よって、差別化は大局においてはあまり意味をなさず、また局所的な戦いにおいても二番煎じが用意な差別化は意味をなさない。
これを踏まえて、差別化を考えるとき差別化されたアイデアは
・真似をされにくい(真似できない)
・基本的な戦力が同じ場合において有効
の二つが重要である。
それ以外差別化された戦力(アイデア)を起用する事は大きなリスクを伴う。
<ニーズについて>
顧客のニーズを考えるとき、ロイヤルカスタマーをいう言葉がある。
ロイヤルカスタマーとは要約すると一人一人の顧客にたいしてのニーズを拾って実現する事とする。
しかし、ホテル経営の例をとってロイヤルカスタマーが集客にたいして与える影響は少なく、多くの集客を目的とした場合多数のニーズを満たし価格を下げて集客力をあげる方法を論じている。
顧客は贅沢品に関しては多くの出費をするが、贅沢品が日常品もしくはライフワークサイクルのひとつになったとき、高付加価値・効果価格追求をした商品より、ある程度の価値がある低価格な商品を選ぶ傾向がある。
ロイヤルカスタマーがもたらす消費価値は多くの顧客が持っている不満に対してのアプローチではなく少数の顧客が持つ特有のニーズに対するアプローチである。
喫茶店を利用する祭、スタバで自分様にカスタマイズされた500円のフラペチーノを飲む事より、味に問題のないドトールの300円のアイスコーヒーで大多数の顧客は満足を得ることができるということである。
その場合、300円の価格の方が魅力がある。
もちろん、一定の条件下での話ではあるがより日常的なサービスや商品を享受するほど顕著に集客力に差は出てくる。
<報酬制度が業績に与える影響>
業績を上げるために必要な給与については報酬のあり方が業績を左右するひとつの要因となることを論じている。
報酬には成果報酬と職務報酬の考え方がある。
成果報酬とは目標をクリアして成果を上げたことに対して与える報酬で
職務報酬とは与えられた職務をこなしたことに対する報酬である。
成果報酬の問題点は目標にコミットしない業務を無視する点である
また、成果報酬がモラルハザードを助長する点に関しても論じている。
成果を重視するあまり、顧客を騙したり、無理な押し売りをしたりと不当な取引が横行することによる会社の信用の低下、チームワークの崩壊など組織を陥れる深刻な弊害をもたらす。
また、同じ組織、ルール、同じ仕事を長年において遂行する企業はまれであるため、変化に対応ができない点もまた成果報酬の落とし穴である。
職務報酬は目標がないため、必要な業務以外を無視する点である。
職務報酬は仕事の内容、方法が限定的であり高度な処理を必要としなくなる。
すると、組織は硬直かしていき変化に対応ができない。、
また何をしているかで報酬が決まることは社内での公平さにばかり目が行き、他社との競争には関心がなくなる。
また現在の仕事をいかに簡略化するかに目が行き、スキルを高めることよりもより点数の高い仕事につくことにエネルギーが使われる。
よって、社内の管理能力は対外的な競争能力を失い、老朽化していく事となる。