企画書を確実にお金に換える仕事術 温井 和佳奈

企画書(提案書)を作成するだけでなく、作成した企画書をどのように「採用されるまで」持ち込むかについて焦点を当てた著書。

ある程度の企画書を作成できるスキルがあることが前提の上で、いかにターゲットの心の奥に刺せるかを貪欲に追求した印象。

トーリーとしては、著者が大手企業から独立後四苦八苦しながら徐々に成長し、大手企業への提案を制約までこぎつけるものとなっている。

その中で、現在の自分に必要と思われる部分を抜粋してまとめる。

 

<ルールは破るな、曲げろ>

私の尊敬する前野教授(敬意を込めて私は現在の司を教授と呼んでいる)曰く、法律が邪魔でも絶対に破ってはいけない、ただし曲げることは可能だ。

上記に似た様な事をこの著書でも論じている。

提案書をプレゼンし終了した時は一息入れたいものである。

だが、プレゼンが終了した後その日の内に先方に連絡を入れるべきだとこの著書は論じている。

理由は、プレゼン直後が先方の一番悩んでいる時である。

そのタイミングで先方に連絡を取り、「今回の提案で何か至らない点はありましたか?」と聞く、すると悩んでいる先方は、御社の提案内容はとてもいいが、こちらの会社の提案のこの部分もとてもいい、甲乙つけがたいと答えるだろう。

その時、すかさず「弊社でもその提案が可能です、もう一度提案の機会を改めてもらえないか?」と話せばいい。

そこで追加提案が可能になれば、チャンスの幅はかなり広がり制約に近くなる。

と、ここまでで気になる点はそんなプレゼン後にすぐに連絡をするなんて、ルール違反では?と疑問に思うだろう。

実際にルールがあれば、引っかかる可能性もある。

だが、最初にお礼の言葉をはさめばそれは礼儀の一環である為、ルール違反ではない。

追加提案の機会が自分の会社だけなら不公平であるが、他社にもその機会が与えられるならそれは、公平性を欠く行為ではない。

こうして、絞られた上位数社だけで追加提案の機会がもらえるなら儲けもんだ。

最後に決定的なのは、絞られた上位数社の中で一番熱意が感じられるのがこのプレゼン後の連絡だ。これだけでその上位数社の中ではシード権が得られた様なものである。

上記は書き方に少し誤解を招く部分があるかもしれないが、そんなことはどうでもいい。

大切なのは決してルールは破ってはいけない、しかしルールの向こう側にたどり着く方法は考えればあるはずだということだと思う。

 

続く

 

ランチェスター思考 競争戦略の基礎 福田秀人

ランチェスター戦略を基礎においているがその他の戦略戦術にも触れている内容

個人的には面白く読めたが、著者の主観が強いことは本から学ぶ上で留意する点

それを踏まえて、斜め読みし今の自分でも必要な理を抜粋し残す。

 

「直感的意思決定と分析的意思決定」

ノーベル経済学賞を受賞したカーネギー・メロン大学のサイモンの意思決定の三段階の過程は以下の通り

1情報活動 決定に必要とする事項を見つけること

2設計活動 いくつかの可能な実行作業を考案し展開し、分析すること

3選択活動 得られた実行案の中から選択をすること

上記の過程はロジカルシンキングフレームワークとし分析的意思決定と本書では呼んでいる

また、分析的意思決定とは別の方法として直感的意思決定を位置付けている。

国語学者の井上尚美氏が示す定義

現状で得られた情報と観察だけで、直感的に状況を推定しひとつの案を考え実行する。

といった内容

分析的意思決定と直感的意思決定は軍事的なマニュアルにも採用されているがその理由は意思決定をする場は大別すると、「本部」と「現場」に別れる事にある

本部で意思決定をする祭は時間に猶予があるため、情報収集や提案創出を細かく行うことができるが、現場の前線で意思決定をする際は時間に猶予がなく判断材料が限定されたなかで即時に決定を下さなければならない(現場で時間をかければタイミングを逃す)

尚、直感的意思決定には判断力と直感力?と創造力が必要なになると書いてあるが要は熟練の経験則が直感的意思決定に影響するということ、現場の意思決定者は熟練の経験者でなければ勝てないということである、また意思決定者の個人力が大事な点にも留意したい

分析的意思決定に関しても上記の要素は重要ではあるが確実な情報を集める、提案列挙する事など、重要なのは意思決定者の個人力よりも情報収集、提案列挙などの過程がを重視することで最終的な意思決定の精度をあげる事ができる。

また、二つの意思決定に必要な要素は直感は決定し、部下がそれに従う事となるが、理論的な説明は難しい事から決定者お従事者の信頼関係は重要な要素となる。

分析的決定は決定事項に関して部下が従う祭に理論的な説明が容易である事で信頼関係よりも誰もが納得する説明ができることが重要である。

 

「第一次集団とビジネス」

第一次集団とは日常的に直接接触しており、相互に一体感や連帯感が共有できる集団。

例えば、家族、職場等であるが、そこに密接な関係、情味ある関係性である。

日常的に顏を会わせていたとしても、そこに情味ある関係性がなければそれは第二次集団である。

ちなみに第二次集団とは家族、職場においても、同じ血族だから同じ職場だからといった理由で繋がっている集団となる。

第一次集団のビジネスの影響はやる気の要素となる点にある。

やる気や意欲は対敵感情や自己のやる気などが削がれた場合でも、仕事をする意欲を増進し事をなす事への推進力となる。

私の捉え方としては、第一次集団を構成する他者は自己であるため、グループの他社が阻害されることは自己への攻撃となる

自信が傷つけられてしまう事への防衛反応とがあるかと思う。

また、そのグループの勝利は自身の勝利であるため喜びを感じる事ができる、すなわち自分の勝ちなのである。

自分が価値を感じられないことでも、第一次集団に属してそれに染まると、他社の価値は自分の価値となる為価値の獲得に躍起になる。

洗脳とはこの様に行われる様な気がする

ただこの方法はビジネスでは不可欠で第一次集団を利用することで意思の統合が図ることができひとつにまとめて強い戦力を得ることができる。

 

が、現在のわが社では、各拠点は方々に別れているため全線で戦う拠点のトップと毎日コミュニケーションを図ることは難しい。

それは組織の小さなグループ、例えば部署、エリアなどでの組織力を低下させる事に繋がるまた、仕事の意欲に関しても自己での成長意欲などが鍵となってしまう。

コミュニケーションツールとして、電話、テレビ電話、メール、チャット等手法はあるがあまり意味があるとは言いづらい、テレビ電話が第一次集団を形作るコミュニケーション手段として強さがあるが日常的に複数名の現場トップとテレビ電話でコミュニケーションをとることは難しい。

他に方法をとるとすれば仕事以外のツールを使って集団を作ることである、ゲーム、趣味等集団を作ることはそれほど難しくはないが、それを第一次集団とするためには日々の

活発なコミュニケーションが必要となる

 

「作戦計画の意義 バックキャスティング」

年間、月間をとおしての計画は現状とそれをどこに進めたいか

そして、その方法である

簡単にいうとカーナビのように、目的地とルートを示すためのものとなる

ビジネスにおいて、最終的な目的は業績をあげる事に集約される

そして、それに時間を加味することにより、ルートを算出する計画が必要になる。

ある時間までにある場所まで到達する方法が計画であるが、計画を作る上でリスクは二つある。

まず、目的地の認識に違いがあれば達成されない、そして方法が正しくなければ計画とは言えない。

目的において重要なのは終結点の共有だが、そこを目的とする意義は実行者にとって大事である。意義もまた共有できていないとそれは目的を達成する原動力とはならないばかりか意欲の低下が発生し以下の方法においても可能な事は不可能な事となってしまう。

正しく、実行可能な方法の要素は

時間的に実証済、実施者の能力が実証済、リスク認識のリスクが実証済となる。

時間、能力について実証がされていなかれば、方法とは言えない。

上記が実証されていても、予想していないリスクに出くわせば目的は達成されないため、リスク気がつき、方法を再度模索する能力もまた必要である。

上記を踏まえた上での計画によって、制度はかなり高くなるはずである。

現状では、目的に対しての上層部との認識不足により意義が失われてしまっている。

また、方法においても時間、リスク認識においては検証がされておらず、結果能力不足の烙印を押されてしまう事となってしまっている。

 

 

 

 

ランチェスター戦略 上原征彦

ランチェスター的思考に関してかかれた本

 

概要はランチェスターの基本原理に基づいた、企業戦略に関してかかれているため、一営業マン向けではなく、経営者もしくは、部下を持つリーダーが競争を生き抜くためにかかれている本と言える

生き抜くためというのはすなわち勝つことに繋がるのだが、それは総じて負けないことを基本としている。

経営者もしくはリーダーがある一定のマーケットのなかでいかにチーム、もしくは会社を動かすかがについて詳しくかかれている。

中間管理職~トップにかけて読むべき本であるが、営業マン個人に関していえば上司もしくは経営層がいかに考えいかにチームを動かそうとしているかをよく知るにはちょうどいいかと思う。

因みに自身がおかれている状況は以下の通りである。

職種営業マン(提案型)、経営には関わっていない、上氏はランチェスター戦略を知っている。

そのなかで、この本を読んで覚えておきたい若しくは現状に活用できると思われる部分を抜粋して、書き記す。

 

<差別化>

ランチェスター戦略において、差別化を要する状況は市場において弱者が強者に対して限定的な戦場(市場)において、一対一で戦う際に有効と記述されている。

また、先進的なアイデアを用いた差別化戦略は二番手に用意に真似をされてしまう危険性をはらんでいるため、考慮した上で差別化を進めていくことが重要としている。

よって、差別化は大局においてはあまり意味をなさず、また局所的な戦いにおいても二番煎じが用意な差別化は意味をなさない。

これを踏まえて、差別化を考えるとき差別化されたアイデア

・真似をされにくい(真似できない)

・基本的な戦力が同じ場合において有効

の二つが重要である。

それ以外差別化された戦力(アイデア)を起用する事は大きなリスクを伴う。

 

<ニーズについて>

顧客のニーズを考えるとき、ロイヤルカスタマーをいう言葉がある。

ロイヤルカスタマーとは要約すると一人一人の顧客にたいしてのニーズを拾って実現する事とする。

しかし、ホテル経営の例をとってロイヤルカスタマーが集客にたいして与える影響は少なく、多くの集客を目的とした場合多数のニーズを満たし価格を下げて集客力をあげる方法を論じている。

顧客は贅沢品に関しては多くの出費をするが、贅沢品が日常品もしくはライフワークサイクルのひとつになったとき、高付加価値・効果価格追求をした商品より、ある程度の価値がある低価格な商品を選ぶ傾向がある。

ロイヤルカスタマーがもたらす消費価値は多くの顧客が持っている不満に対してのアプローチではなく少数の顧客が持つ特有のニーズに対するアプローチである。

喫茶店を利用する祭、スタバで自分様にカスタマイズされた500円のフラペチーノを飲む事より、味に問題のないドトールの300円のアイスコーヒーで大多数の顧客は満足を得ることができるということである。

その場合、300円の価格の方が魅力がある。

もちろん、一定の条件下での話ではあるがより日常的なサービスや商品を享受するほど顕著に集客力に差は出てくる。

 

<報酬制度が業績に与える影響>

業績を上げるために必要な給与については報酬のあり方が業績を左右するひとつの要因となることを論じている。

報酬には成果報酬と職務報酬の考え方がある。

成果報酬とは目標をクリアして成果を上げたことに対して与える報酬で

職務報酬とは与えられた職務をこなしたことに対する報酬である。

成果報酬の問題点は目標にコミットしない業務を無視する点である

また、成果報酬がモラルハザードを助長する点に関しても論じている。

成果を重視するあまり、顧客を騙したり、無理な押し売りをしたりと不当な取引が横行することによる会社の信用の低下、チームワークの崩壊など組織を陥れる深刻な弊害をもたらす。

また、同じ組織、ルール、同じ仕事を長年において遂行する企業はまれであるため、変化に対応ができない点もまた成果報酬の落とし穴である。

職務報酬は目標がないため、必要な業務以外を無視する点である。

職務報酬は仕事の内容、方法が限定的であり高度な処理を必要としなくなる。

すると、組織は硬直かしていき変化に対応ができない。、

また何をしているかで報酬が決まることは社内での公平さにばかり目が行き、他社との競争には関心がなくなる。

また現在の仕事をいかに簡略化するかに目が行き、スキルを高めることよりもより点数の高い仕事につくことにエネルギーが使われる。

よって、社内の管理能力は対外的な競争能力を失い、老朽化していく事となる。